2018年に子どもの教育に関する3法令が大幅に改定され、2019年10月に幼児教育無償化がスタートし、今はまさに幼児教育の過渡期です。
子どもが「生活の中で豊かに育つこと」が難しい現代社会。
エベイユようちえんでは『未来を生き抜く力を育てること』を理念にし、少人数制で保育の質に重点を置き、子ども達の自発的に考える力を育てるために、日々の積み重ねを大切に保育をしています。
保育の未来について参考に、保育教育研究の第一線に立つ研究者の一人である汐見稔幸教授のインタビューをご紹介します。
『教える』『できたら褒める』で育つ部分は、少ししかない
”あるもの”とは『頭』。頭を必死で使うんです。
必死になって遊びを考え、編み出し、工夫する。
遊ぶために「うまくいかないな、どうしようか」と相談して、失敗してもあきらめず、くりかえしやり直す。
アイデアを考え出す力、試行錯誤する力、やったぜと達成する力、相談する力、うまくいかなかったときにもう一回夢を描く力。
昔の子どもたちは、『生きるための基礎力』を、親が知らないところで身につけていたのです。
ーーー昔の子どもたちは『手伝いをする』『遊ぶ』という、生活の中でごく自然にできることを通して、生きるために必要な力を学んでいたのですね。
つまり、教育で一番大事なキーワードは『生活でのいとなみ』なんです。
人間は『教えてあげる』とか『できたら褒めてあげる』だけで育つ部分は、実はちょっとしかない。
学校で教えてもらったことだけで育つわけではないんです。
この生活のいとなみで育つ『生きるための基礎力』のことを『非認知的スキル』と呼んでいます。
非認知的スキルとは、単に生きるためのたくましさだけでなく、発想の柔軟さや新しいものを生み出すクリエイティビティなども含んでいます。
保育・幼児教育は『世界の難問』を解決する
ーーーいまのお話の流れで考えると、これから保育園や幼稚園の教育が果たす役割は、とてつもなく重要ではないですか?
ものすごく重要ですよ!だから保育・幼児教育がニュースになっているんです。
突然『考えること』を小学校から教えて、すぐにできるわけじゃない。たくさんの難しい問題に対して「ああしよう、こうしよう」と自発的に考えられる力を育てることは、保育・幼児教育がやらないとだめなんです。引用元:保育の未来【中編】~汐見稔幸にきく、いま大きく変わる保育の質とは